機関投資家向け暗号資産(仮想通貨)金融サービスを提供するアンバー・インターナショナルは10日、アジアの上場企業として初めて自社株式をトークン化し、ソラナ(SOL)上で公開した。
アンバー・プレミアムのブランド名でナスダックに上場する同社は、xStocksFiアライアンスを通じて自社のトークン化株式AMBRxを公開した。
これにより、AMBRxはアップル(AAPLx)、テスラ(TSLAx)、エヌビディア(NVDAx)といった大手企業のトークン化株式と並んで、xStocksプラットフォームで取引されることになる。
この動きは、伝統的金融(TradFi)とDeFiを繋ぎ、24時間アクセス可能なグローバル資本市場を創造するという同社の戦略の一環である。
伝統金融とDeFiの融合を目指す戦略
今回の株式トークン化は、世界中の投資家に対して流動性、アクセス性、構成可能性を高めることを目的としている。
アンバー・インターナショナルは、アジアの上場企業として初めてこの取り組みを主導することで、地域の企業がブロックチェーン技術を活用した金融システムへ参加する先例を築いた。
同社の動きは、最近の2550万ドルの私募資金調達と、ソラナやバイナンスコイン(BNB)を含む1億ドル規模のクリプト・エコシステム・リザーブ設立計画によって支えられている。
xStocksFiアライアンスとの提携は、ソラナの持つ高い処理能力と低い手数料のネットワークを活用し、流動性を維持する上で重要な役割を果たす。
市場への影響と今後の展望
アンバー・インターナショナルは、xStocksのマーケットメーカーとしての役割も担い、AMBRxの安定した流動性を確保する。
これにより、トークン化資産に内在する価格変動リスクの軽減を図る。今回の株式トークン化は、機関投資家による仮想通貨の採用を促進するという同社の広範な目標とも一致している。
また、この取り組みは2025年3月のナスダック上場に続き、コンプライアンスと透明性を重視する同社の姿勢を明確に示している。
AMBRxをはじめとする主要な株式がxStocksFi上でトークン化されることで、従来の市場の時間や地域の制約に縛られていた投資家も株式市場へ参加しやすくなり、資本市場へのアクセスがより民主化される可能性がある。
このような伝統金融とデジタル資産の融合は、最近承認されたビットコインETFの動向とも関連しており、今後の市場の拡大が期待される。