イーサリアム(ETH)財団は日本時間11日、ゼロ知識証明(ZK)を全面的に採用する移行計画をブログで明らかにした。
この計画は、イーサリアムのレイヤー1(L1)にzkEVMを導入することから始まる。
ゼロ知識証明による基盤技術の進化
イーサリアム財団の取り組みは、ZK技術をイーサリアムのベースレイヤーに統合し、スケーラビリティとプライバシーの課題を解決することを目的としている。
L1 zkEVMが導入されると、バリデーターはブロックを再実行せず、ZKプルーフで取引を検証できるため、計算負荷を抑えつつ、プライバシー保護を実現する設計となっている。
ゼロ知識証明は、基礎データを明かさずに取引の有効性を証明できる暗号技術であり、実際に複数のブロックチェーンプロジェクトで採用が拡大中だ。
L1 zkEVMは、従来のレイヤー2(L2)のzkロールアップとは異なり、イーサリアムのメインチェーンに直接展開されることで、既存のセキュリティモデルを維持しつつ、新技術の利点を活用できる。
段階的な導入計画と今後の展望
導入は段階的に進行する。初期段階では、バリデーターが任意でZKクライアントをテストし、安全性が確認されれば、最終的に必須化される見込みだ。
スループットの限界やガス代の高騰といった課題は、イーサリアムに限らず多くのアルトコインにも共通しており、重要な解決課題となっている。
財団は、ZKクライアントの信頼性を確保するため、監査やバグ報奨金プログラムに注力するとしており、10万ドル以下のハードウェアでも稼働可能な設計を目指す。
次のマイルストーンとして、2025年11月にアルゼンチンで開催されるDevconnectでリアルタイム証明への競争が始まる予定だ。
最終的には、ZKプルーフを活用したネイティブzkロールアップにより、取引の効率化とプライバシー強化の両立が実現される。
こうした技術的進展は、イーサリアムにとどまらず、他の暗号資産(仮想通貨)市場にも波及している。