分散型動画共有プラットフォームのRumbleは10日、暗号資産(仮想通貨)決済インフラ大手のMoonPay(ムーンペイ)と独占提携し、Rumble Walletを立ち上げると明らかにした。
Rumble Walletは2025年第3四半期に公開予定で、Rumbleのエコシステムにシームレスな仮想通貨取引を統合することを目的としている。
これにより、コンテンツクリエイターはブロックチェーンベースのツールを活用し、自身の作品を収益化できるようになる。
クリエイターの収益化と経済的自立を支援
今回の提携の中核には、クリエイターへの権限移譲がある。Rumble Walletの導入により、ユーザーはプラットフォーム内で直接、仮想通貨の購入、売却、交換が可能となる。
決済のオン・オフランプはすべてムーンペイが担う。
この取り組みは、PayPalやPatreonといった中央集権型の決済業者が課す手数料や制限を回避し、クリエイターの経済的自立を促すというRumbleの理念と一致する。
同社は表現の自由を最優先事項と掲げており、今回の提携はその理念を金融面から支えるものとなる。
規制遵守と戦略的シナジー
ムーンペイとの提携は、Rumbleにとって規制対応の面でも利点が大きい。
ムーンペイは各種ライセンスを取得したインフラを提供しており、複雑化する仮想通貨規制への準拠と事業リスクの軽減を可能にする。
一方で、ユーザーにとっては、収益に対する仮想通貨の税金対応が重要になる。
今回の提携には、両社の事業シナジーを強化する狙いもある。ムーンペイ傘下のWeb3専門エージェンシーOtherlifeは、サービス基盤をRumble Cloudに移行する予定で、Rumbleの分散型インフラ構想の強化にもつながる。
Rumbleは2025年3月にも、ステーブルコインのテザー(USDT)に対応し、仮想通貨インフラに2億5000万ドルを含む7億7500万ドルの投資を明らかにしており、Web3領域への本格参入を進めている。
Rumble Walletのローンチは2025年第3四半期を予定しており、収益への本格的な寄与はそれ以降となる見通しだ。