大手NFTマーケットプレイスのOpenSeaは日本時間7月8日、モバイルトークン取引・ポートフォリオ管理アプリRallyを買収した。
Rallyは2021年にFloorとして開始された自己管理型ウォレットで、複数のブロックチェーンにまたがるデジタル資産を直感的に管理できるインターフェースで知られている。
モバイル中心の統合プラットフォーム
Rallyの買収により、同社の創業者チームがOpenSeaの経営陣に加わる。Rallyのクリス・マダーンCEOはOpenSeaの最高技術責任者(CTO)に就任し、共同創業者のクリスティン・ホール氏も経営チームに参加する。
OpenSeaはRallyのインフラを活用し、2025年中にアップグレードされたモバイルアプリをリリースする計画だ。
これにより、オンチェーン取引における優位性を確保し、暗号資産(仮想通貨)市場で不足している強力なモバイルソリューションの提供を目指す。
同社の戦略はNFT取引にとどまらない。ミームコインやDeFi資産といった代替可能トークンや利回り獲得機能を統合し、Web3活動の拠点としての地位確立を狙う。
ユーザー体験の革新と今後の展望
仮想通貨業界では、直感的でないデスクトップアプリへの依存が続いており、優れたモバイル体験を提供する余地が大きい。
Rallyのモバイルネイティブなウォレット技術とOpenSeaのNFTマーケットプレイスを統合することで、NFTやトークン、ステーキングなど分断されがちなWeb3活動を単一のインターフェースで管理できるようになり、ユーザーのアクセス体験が大きく向上する。
また、初期ユーザーへの配慮として、Floor Genesis NFT保有者に対してはOpenSeaのロイヤルティプログラムの一環として特別な報酬が提供される見通しだ。
現在、OpenSeaは17のブロックチェーンに対応しており、Rallyとの統合によってクロスチェーンでの取引や資産管理能力を一層強化する。
マダーン氏は、モバイル開発を最優先に据え、NFTとトークンをつなぐことで、コレクターやクリエイター、トレーダーの可能性を広げていくと述べた。