資産運用大手ブラックロックが提供するiシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)は9日、保有するビットコイン(BTC)が70万BTCを突破した。
2024年1月のローンチからわずか1年半での達成となる。
Glassnodeのデータによれば、IBITの保有量は70万306.8 BTCに達しており、これはビットコインの総供給量(2100万BTC)の約3.34%に相当する。時価総額にして760億ドル超の規模だ。
記録的な成長の背景
IBITの驚異的な成長は、いくつかの要因によって後押しされている。
まず、2023年に米証券取引委員会(SEC)がビットコイン現物ETFを承認したことで、機関投資家や個人投資家が規制の枠内でビットコインにアクセスできるようになった。
世界最大の資産運用会社であるブラックロックは、強固なインフラと信頼性を背景に、伝統的な金融市場から仮想通貨市場への資金流入を加速させた。
同社の運用資産(AUM)が700億ドルに達するまでにはわずか341営業日しかかからなかった。これに対し、代表的な金ETFであるSPDRゴールド・シェア(GLD)が同規模に達するには1600日以上を要した。
さらに、IBITが保有するビットコインはコインベース・カストディによって秘密鍵が管理されており、高いセキュリティと規制基準への準拠が保証されている。
市場における圧倒的な存在感
IBITは積極的にビットコインを蓄積している。データによれば、6月18日時点の保有量は454.3BTCであったが、その後半月余りで70万BTCを超える水準に急増した。
この保有量は、ほとんどの中央集権型取引所や事業会社を上回る規模に相当する。
IBITを上回る保有量を示すのは、創設者サトシ・ナカモトの推定110万BTCのみとされる。
ETFの急速な拡大は、ビットコインが制度的資産として受け入れられていることを明確に示している。
現在の資金流入ペースが続けば、IBITが世界最大のビットコイン保有者になる可能性もあり、今後の投資戦略に大きな影響を与える可能性がある。