イーサリアム財団のジャスティン・ドレイク研究者は6日、ネットワークの処理能力を毎秒1万トランザクションに引き上げるギガガス時代構想を明らかにした。
ギガガス時代構想でスケーラビリティ向上へ
この野心的な技術ロードマップは、イーサリアム(ETH)のレイヤー1におけるスケーラビリティを向上させることを主眼に置いている。
現在のイーサリアムは、中央集権的な代替手段と比較してトランザクション処理能力に課題を抱えており、今回の構想はその解決を目指すものだ。
構想の中核をなすのは、ゼロ知識仮想マシン(ZKVM)と呼ばれる技術である。ZKVMを導入することで、分散化やセキュリティを犠牲にすることなく、リアルタイムでの証明能力とスループットの向上を実現できるとしている。
これにより、バリデーター参加への障壁が下がり、ネットワークの耐性が強化されることが期待される。
長期ビジョンとエコシステムへの影響
ギガガス時代構想では、ネイティブロールアップやZK証明といった技術を進化させ、より高速で安価な取引の実現を目指す。
ドレイク氏が描く最終的な目標は、毎秒1000万TPSの達成である。これにより、イーサリアムを世界的な決済レイヤーとして確立することを目指している。
スマートコントラクト自動化プロトコルであるGelatoのようなプロジェクトも、ZKVMやロールアップ基盤の研究に積極的に取り組んでおり、業界横断的な協力体制が構築されつつある。
スケーラビリティの向上は、取引手数料の削減やDeFiプロトコルの機能強化、ステーキング市場の流動性向上に寄与する可能性がある。
このような技術革新は、イーサリアムだけでなく主要なアルトコインにも影響を与え、エコシステム全体の成長を促進するだろう。
プロトコル貢献者や利害関係者からは、この技術的な実現可能性とイーサリアムの分散化という理念との整合性に対して、強い支持が表明されている。