香港政府は7月5日、3回目となるトークン化グリーン債券の発行準備をしていると明かした。ブロックチェーンを基盤とした金融商品の地域拠点としての地位確立を目指す取り組みの一環だ。
今回の第3弾の発行は、トークン化債券を定期的に提供する方針への転換点と位置づけられている。政府は、デジタル金融都市としての競争力を高める狙いがある。
ETFの印紙税免除と規制整備
香港政府は、トークン化されたETFの譲渡にかかる印紙税を免除する方針も示した。これにより、取引コストが抑えられ、市場の流動性向上につながると見込まれている。
この措置は、香港金融管理局や証券先物委員会が進めるデジタル資産規制枠組みの整備を後押しする。
ブロックチェーン技術による決済の迅速化や資産アクセスの向上といった利点は、機関投資家をグリーンファイナンス市場へと引きつけている。
また、印紙税の免除といった税制優遇策も導入されており、参入障壁を下げることで海外資本の呼び込みを図っている。
香港ではすでにビットコインETFも承認されており、デジタル資産市場の整備が進んでいる。
さらに、2025年8月1日からは新たな規制枠組みLEAPの下で、ステーブルコインのライセンス制度が開始される予定だ。
これにより、暗号資産(仮想通貨)の導入が加速する見通しとなっている。
現実資産のトークン化も推進
財務省は、トークン化の実証実験を現実世界の資産にも拡大している。対象には、貴金属、非鉄金属、太陽光パネルなどが含まれる。
これらの取り組みは、高い流動性を備えた新たな投資チャネルの創出を目指すものだ。ブロックチェーンを通じて現実資産を取引可能にすることで、新市場の形成を促進する。
香港では、トークン化商品に対して厳格なライセンス制度や監督体制が整備されており、技術革新と投資家保護の両立を図っている。
これらの政策を通じて、香港はデジタル資産分野における主導的地位の確立を目指している。