Kinexys社、炭素クレジットのトークン化試験を開始

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ブロックチェーン上でトークン化された炭素クレジットのイメージ

資産運用大手JPモルガンのブロックチェーン子会社Kinexysは2日、炭素クレジットをトークン化するアプリケーションの試験運用を開始した

大手商品分析プロバイダーのS&Pグローバル・コモディティ・インサイツや環境クレジットのデジタル登録機関であるEcoRegistry、国際炭素登録機関との共同で行われ、炭素市場における透明性・標準化・流動性の向上を目的とする。

ブロックチェーン上で、クレジットの発行から償却までの追跡を可能にする仕組みだ。

炭素市場の課題とブロックチェーンの役割

現在の炭素市場は、断片化や標準の欠如、透明性の問題に悩まされている。これらの課題が市場の信頼性と流動性を制限しているのが現状だ。

Kinexysは、相互運用可能な統一システムを構築することで、これらの問題に対処する構えだ。トークン化により、クレジットのライフサイクル全体が監査可能で、改ざん不能になるとされる。

過去のトークン化の試みでは、クレジットの二重計上や償却済みオフセットの取引といった懸念が浮上した。

JPモルガンは、こうしたリスクを防ぐための堅牢なインフラの必要性を強調している。

将来の展望とJPMDとの連携

Kinexysのプラットフォームは、複雑なデータ構造を処理するように設計される。これにより、複数の登録機関間での互換性を確保し、重複した検証プロセスを削減して監査能力を向上させる。

JPモルガンは並行して、大手取引所コインベースのBaseネットワーク上でステーブルコイン形式の預金トークンであるJPMDの開発も進めている。これはトークン化された環境での決済を円滑にするためのものだ。

将来的には、このJPMDが炭素クレジットのプラットフォームと統合される可能性もある。

JPモルガンはすでにJPMDを活用し、国債決済やコモディティ取引など実用的なブロックチェーン導入を進めており、同様の技術が環境分野にも拡大しつつある。

こうした取り組みは、伝統的な金融機関による仮想通貨技術の実用化を具体的に示す事例の一つと言える。

著者: 松田 明日香

暗号資産投資を2020年に始め、ビットコインやNFT、DeFiなど複数の分野で投資経験を有する。2025年1月にICOBenchに参加し、専門的な暗号資産ライティングを手掛けている。