資産運用会社のFineqia(フィネキア)は1日、ビットコイン利回りETP(上場取引型金融商品)をウィーン証券取引所に上場した。
この商品は、暗号資産(仮想通貨)であるビットコイン(BTC)の価格変動へのエクスポージャーに加え、DeFi戦略を活用して年間6%の利回りを目指す。
同社によると、この種の金融商品は初となる。
DeFi活用と現物拠出が特徴
商品名はBitcoin Yield ETP(YBTC)で、ウィーン証券取引所の多角的取引システム(MTF)に上場された。
YBTCは、投資家からの資金をDeFiプロトコルのレンディングやステーキングに再配分することで利回りを生み出す仕組みだ。デリバティブや仕組債は使用しない。
最大の特徴は、ビットコインの現物拠出を認めている点である。これにより、デジタル資産の保有者は現金に換金することなく、保有するビットコインを直接拠出できる。
この商品は、フィネキアのリヒテンシュタイン子会社が発行し、ブロックチェーンに特化した投資会社Psalion Yieldが戦略的助言を提供している。
拡大する市場と規制環境
フィネキアによると、世界のビットコイン上場取引型ファンドは、機関投資家の採用拡大を背景に、運用資産額が1500億ドル(約21兆4500億円)を超えている。
YBTCは、DeFiが持つ高い利回りの可能性に着目し、伝統的な金融とブロックチェーンのエコシステムを橋渡しすることを目指す。
この商品は欧州連合(EU)の市場濫用規制に準拠しており、オーストリアの仮想通貨関連金融商品に対する寛容な規制枠組みを活用している。
フィネキアは以前にもカルダノを基盤とした同様の商品を発売しており、その経験が今回の商品設計にも活かされているとみられる。