ビットコイン採掘企業のBitMine Immersion Technologiesは2025年6月30日、イーサリアム(ETH)を主要な準備資産とするための資金として、2億5000万ドル(約360億円)を調達した。
今回の資金調達は、MOZAYYXが主導する第三者割当増資によるものだ。1株あたり4.50ドルで5555万5556株を発行する。
Founders FundやPantera Capital、Krakenなど、暗号資産(仮想通貨)業界の著名な投資家や企業が参加している。
この取引は、ニューヨーク証券取引所アメリカンの承認を条件として、2025年7月3日までに完了する見込みだ。
ビットコインからイーサリアムへの戦略転換
BitMineはこれまでビットコイン(BTC)を中心とした採掘および財務戦略を展開してきた。
今回の資金調達は、同社の戦略がイーサリアム中心へと大きく転換することを示すものだ。この動きにより、同社の既存の仮想通貨保有高は16倍以上に増加する見通しである。
新たに会長に就任したトーマス・リー氏は、イーサリアムはステーブルコイン決済が取引されるブロックチェーンであり、その成長から恩恵を受けるはずだと述べた。
ステーブルコインの普及がイーサリアムの価値を高めるとの期待が、戦略転換の背景にある。
市場の反応と今後の展望
この発表を受け、6月30日の市場でBitMineの株価は511%急騰した。これは、同社の新たなイーサリアム財務戦略に対する投資家の強い期待を反映している。
著名な投資家が参加していることも、戦略への信頼性を高める要因となった。
同社は、FalconXやKrakenなどの仮想通貨仲介業者や、BitGo、Fidelity Digitalといったカストディアンと連携する。
これにより、大規模なイーサリアムの取得と安全な保管体制を構築する。
今回の動きは、2025年に100BTCを購入するために実施した1800万ドル(約25億9200万円)の公募増資から、規模と資産の焦点を大幅に拡大させたものとなる。