オンライン証券大手のロビンフッドは30日、米国ユーザー向けにイーサリアム(ETH)とソラナ(SOL)のステーキングサービスを開始したと公表した。
このサービスにより、ユーザーはネットワークの検証プロセスに参加することで報酬を得られる。
この動きは、米証券取引委員会(SEC)がコインベースやクラーケンなどの取引所を、ステーキング商品を未登録証券として提供した疑いで提訴するなど、規制当局の監視が続く中で行われた。
規制の動向とロビンフッドの戦略
SECは、ステーキングを証券法上の投資契約と位置づけており、取引所に方針の調整を迫っている。
クラーケンは2023年初頭、ステーキングサービスを巡りSECと3000万ドルで和解したが、コインベースは訴訟で争う姿勢を続けている。
ロビンフッドの今回の米国でのステーキング開始は、これまでの戦略とは一線を画す。
同社はSECが懸念を示す特定の暗号資産(仮想通貨)を避けてきたことが功を奏し、2025年2月にはSECが同社の仮想通貨部門に対する調査を訴訟を起こすことなく終了したと報じられている。
SECは2024年5月、ロビンフッドに対し訴訟の可能性を示唆するウェルズ通知を送付していた。
市場機会とソラナETFの影響
今回のサービス開始は、ソラナへの関心が高まる中で行われた。
米国初の現物ステーキング仮想通貨ETFであるRex-Osprey SOL + Staking ETFの承認が間近に迫っていることが背景にある。
この期待感からソラナの価格は160ドルを超え、大規模なショートポジションの清算を引き起こした。
このETFは7月2日に取引開始が見込まれており、ステーキングされたソラナを規制された金融商品に組み込むことで、一般の参加者がアクセスしやすくなる。
ロビンフッドは並行して、欧州市場向けにトークン化された米国株やETF、レバレッジを効かせた仮想通貨先物などの商品も発表している。
今回の動きは、米国の仮想通貨規制を慎重に乗りこなしつつ、ステーキングのような利回り資産への需要を活用しようとする同社の戦略的なアプローチを浮き彫りにしている。