ブロックチェーンインフラを提供するRedStoneは6月26日、GauntletおよびRWA.xyzと共同でレポートを発表した。
この中で、2034年までに世界の資産基盤400兆ドル超のうち、最大30%がトークン化される可能性があると指摘している。
仮に最大30%がトークン化されれば、その規模は現在の暗号資産(仮想通貨)市場である約3兆ドルの130倍以上に達する。
急成長するRWA市場の現状
現実資産トークン(RWA)は、分散型と伝統金融をつなぐ存在として関心が高まり、市場は成長を続けている。
レポートによると、RWAはステーブルコインに次ぐ成長スピードを示しており、市場規模は年率85%で拡大中だ。
2022年に約50億ドルだったRWAの市場価値は、2025年6月時点でステーブルコインを除き約240億ドルに達した。このうち、プライベートクレジットが140億ドル、トークン化された米国債が75億ドルを占めている。
この成長が続いた場合、RWAの市場規模は2034年までに16兆ドルから30兆ドル(約2320兆円〜4350兆円)に達すると見込まれる。ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)も、2030年までにRWA市場が16兆ドルに達すると予測しており、複数の調査機関が同様の成長見通しを示している。
機関投資家の需要が成長を牽引
市場拡大の背景には、機関投資家の関与の深まりがある。プログラム可能なブロックチェーンインフラを通じて、プライベートクレジットや米国債といった利回り資産への需要が高まっている。
また、2022年以降の金利上昇といったマクロ経済の変化も、伝統的な利回り資産の魅力を高めた。このため、仮想通貨ネイティブの投資家もRWA市場に注目するようになった。
RWAはデジタル資産の形で利回りを得られる点で、ステーキングと同様の魅力を持つと考える投資家も多い。
RedStoneらは今後、四半期ごとの市場トラッカーやRWA指数に関するオラクル指標を公開する予定だ。詳細な分析手法やデータは、2025年7月1日にフランス・カンヌで開催されるRWAサミットで発表される見通しとなっている。