複数の市場データによると、6月16日から20日にかけて米国の現物ビットコイン(BTC)ETFに10億1900万ドル(約1508億円)の純資金流入があったことが、23日に明らかになった。
この資金流入は、地政学的な緊張が続く中でも、機関投資家からの関心が継続していることを示している。
地政学リスク下での市場の安定性
イスラエルとイラン間の軍事的緊張が一時的に市場に不安をもたらしたが、その後の外交的沈静化により、投資家心理は安定を取り戻した。
ビットコインの価格は、ETFへの安定した資金流入と、紛争の限定的な拡大を背景に、10万5000ドル近辺で安定している。
この価格の安定は、2022年のロシア・ウクライナ紛争や2023年のガザ紛争時のビットコインの価格推移と類似しており、当時も初期の下落後に回復する傾向が見られた。
地政学的な緊張が続く中でも、ブラックロックのIBIT、フィデリティのFBTCなどのETFに多額の資金が流入しており、機関投資家の信頼感は維持されている。アナリストは、伝統的なリスクオフ資産とは異なる値動きを見せるBTCが、分散化を志向する投資家を引きつけたと分析している。
ETF市場の動向とイーサリアムの堅調さ
日々の資金流入を牽引したのは、IBITとFBTCだった。6月18日には、IBIT単体で2億7890万ドル、FBTCが1億440万ドルの流入を記録した。
一方で、同日にはBitwise Bitcoin ETF(BITB)が1130万ドルの資金を追加したが、ARKやInvescoなどのファンドには流入が見られなかった。
ビットコインETF市場全体としては、6月19日までに8営業日連続で資金が流入しており、根強い需要を裏付けた。
ビットコインに市場の注目が集まる一方で、イーサリアムETFも着実に資金流入を維持している。これは、DeFiやスマートコントラクト領域におけるイーサリアムの役割への期待の高まりを示している。