英フィンテック大手のレボリュート(Revolut)は19日、フランスへの10億ユーロ(約1450億円)を超える投資計画とともに、同国での銀行免許取得申請および新サービス拡充を発表した。
この動きは、エマニュエル・マクロン仏大統領主催の「Choose France」サミットで明らかにされたもので、Revolutはパリに西欧本社を設立し、同国市場での存在感を強める方針だ。
フランス市場での拡大と新拠点設立
Move over Emily — Revolut is coming to Paris in a big way.
• New Western Europe HQ in Paris
• €1 billion investment and 200+ jobs in France
• Application for a French banking licence on the horizon pic.twitter.com/mxkUdnqqip— Revolut (@RevolutApp) May 19, 2025
Revolutは現在、フランス国内で500万人の顧客を抱えており、これは欧州連合(EU)内最大の市場となっている。
今後は2026年末までに1000万人、2030年までに2000万人の利用者獲得を目指す。
すでに同国では、リトアニアで取得した銀行免許を活用し、個人向けローン、暗号資産(仮想通貨)ウォレット、株式取引などの金融サービスを展開している。
今回の投資により、今後3年間で少なくとも200人の新規雇用も計画。現在の300人体制からさらに拡大する見通しだ。
Revolutはパリとリトアニアのビリニュスの二拠点体制を基盤に、欧州経済領域(EEA)30か国でより幅広い金融サービスを提供していく構えだ。
銀行免許取得とグローバル戦略
フランス当局は、大規模な顧客基盤を持つRevolutに対し、現地での銀行免許取得を要請してきた。
これに応じて、Revolutはフランス銀行の監督部門であるACPR(健全性監督・決議機構)を通じて申請手続きを進めている。
また、グローバルではメキシコでの銀行免許(2025年3月承認)やインドでのプリペイド決済免許取得にも動いており、全世界で10の銀行免許取得を目標としている。
2024年の売上高は約40億ドル(約5800億円)に達し、世界で5500万人以上の顧客を抱える同社は、伝統的な銀行に対抗しながら、ヨーロッパ最大のネオバンクを目指して事業を強化している。
今後Revolutは、仮想通貨ウォレットの利便性や、仮想通貨長期保有に関する新サービスも強化するとみられる。
フランスでの銀行免許申請や新サービス導入は、規制が強化される中での事業拡大策として、今後の欧州市場での競争力強化と安定した経営基盤構築に寄与すると見られる。
そのため、仮想通貨投資を検討する際には、Revolutの動向に注目することが重要だ。