非代替性トークン(NFT)プロジェクトのDeGodsフランク創設者は12日、ソラナ(SOL)ウォレットが不正アクセスを受け、NFT16点が流出したと明らかにした。
今回の事件では、DeGodsに関連する貴重なアート作品が標的となった。ウォレットからは伝説的なヘルメットを身につけたDeGodsを含む16点が売却され、総額108SOL(約198万円)相当の損失となった。
ウォレット侵害の経緯と背景
フランク氏は、DeGodsの運営トップを3年間務めた末、同日にCEOを辞任したばかりだった。リーダー交代直後に流出が発生したことから、コミュニティ内ではNFTの売却を巡る憶測も飛び交った。
しかし、フランク氏本人は「売却には一切関与していない」と強調し、外部からのサイバー攻撃による流出であると説明した。
攻撃の詳細については「フィッシング詐欺や秘密鍵の流出、プラットフォームの脆弱性などが考えられる」とされるが、具体的な原因は公表されていない。運営チームも被害状況の把握に努めているという。
プロジェクトへの影響と今後の見通し
今回の流出事件は、DeGodsの信頼性と市場価値にも影響を及ぼした。
2023年にはNFTプロジェクトy00tsおよびDeGodsのイーサリアム(ETH)やポリゴン(POL)への移行計画も発表されたが、遅延や運営方針への不満が続いていた。
また、NFT市場全体の低迷やDeGods価格の下落も重なり、フロア価格が3.7万ドル(約540万円)から1000ドル(約14.6万円)まで大幅に下落していた。
過去には「米国証券取引委員会(SEC)による調査」を巡る噂も流れたが、フランク氏はこれも否定している。
フランク氏は「他の重要なウォレットは引き続き管理している」とし、法的な問題回避のための計画的な売却ではないことを再度強調した。
DeGodsは2021年の立ち上げ以来、ソラナ(SOL)を代表するNFTプロジェクトとして注目を集めてきたが、今後は新体制のもとで信頼回復とプロジェクト再生が課題となる。