ビットコインが金を上回る好調、米中貿易緩和で強気傾向強まる

私たちを信頼する理由
私たちを信頼する理由
ビットコインと金塊が並ぶ背景に上昇する矢印が描かれたイメージ

ビットコイン(BTC)は13日、過去2週間で金を大きく上回るパフォーマンスを示し、10.1万ドル台で推移している。

同期間中、ビットコインの価格は4月の安値から30%超上昇しており、S&P500やナスダックといった伝統的な株価指数も凌駕している。

ビットコインと金の比率が示す新たな動き

ビットコイン(BTC)と金の価格比率は、直近で「インバーテッド・トリニティ(逆三尊)」と呼ばれるチャートパターンを上抜けた。

この動きは、ビットコインが「価値の保存先」として金をさらに凌駕しつつあることを示唆している。

これまでも「デジタルゴールド」としての評価が高まっていたビットコインだが、上場投資信託(ETF)承認や規制の明確化といった制度面の進展が、機関投資家を中心に市場の信頼を押し上げている。

リスク選好の高まりもビットコインの追い風だ。特に米中間の貿易緊張が和らぎ、投資家が伝統的な安全資産である金よりもリスク資産への投資を進めている。

現在、ビットコインと金の直近30日間の相関は0.11と非常に弱く、両者の価格動向が大きく異なる様相を見せている。

今後の見通しと市場の注目点

ビットコインチャート
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインと金のそれぞれの価格動向にも注目が集まっている。

5月中のビットコインは8万5513ドル(約1265万5924円)から12万3408ドル(約1826万6784円)の広いレンジで推移するとの予想もある。

一方、金は1オンス2755ドル(約40万7740円)から2970ドル(約43万8360円)で安定すると見込まれている。

ビットコインの強さの背景には、ETF導入による機関投資家の資金流入、レイヤー2技術などの技術発展、そしてインフレや中央銀行の政策といったマクロ経済的な要因がある。

ボラティリティ(価格変動性)が高い一方で、リターンの期待値も高いことから、リスクを取る投資家が金からビットコインへと資産をシフトさせている。

従来の「安全資産」としての金の地位は依然として健在だが、経済の不透明感が増す中で、ビットコインが今後さらに「デジタルゴールド」として存在感を高めていくかどうか、市場の注目が集まっている。

また、仮想通貨の動向にも投資家の関心が高い。

仮想通貨と金の動きは、世界的な経済環境に影響を受けやすいため、今後の展開を注視する必要がある。投資戦略の見直しを検討する際には、仮想通貨投資に関する最新の情報を参考にすることも重要だ。

著者: 早下 光

暗号資産ライター。2019年からの仮想通貨市場経験を基に、ブロックチェーン技術の基礎から応用、最新ニュースまで、正確・深い情報で読者の理解をサポートします。