テザーゴールド(XAUt)、初公式証明書を発表|金準備量公開

私たちを信頼する理由
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金塊が保管されたスイスの安全な金庫とテザーゴールドトークンを示すデジタルな輝き

大手ステーブルコイン発行企業のテザー社は28日、テザーゴールド(XAUt)の2025年第1四半期に関する初の公式証明書を発表した

テザーゴールドは、時価総額で世界最大のトークン化された金商品である。今回の証明書は、同トークンに関する初めての正式な監査報告となる。

金準備量の証明と市場動向

この監査によって、テザーゴールド(XAUt)トークンが、総量24万6523.33トロイオンス(約7.7トン)の現物の金(ゴールド)によって、その価値が1対1で裏付けられていることが確認された。

各トークンは、スイスの安全な金庫に保管されているロンドン貴金属市場協会(LBMA)認定の金1トロイオンスの価値に相当する。

証明書発行時点で、テザーゴールドの市場価値は7億7000万ドル(約1101億1000万円)に達した。また、2025年4月21日には1トークンあたり3423ドル(約48万9489円)という過去最高価格を記録している。

信頼性向上の背景要因

世界的な緊張の高まりやインフレ圧力、貿易関税に関する懸念の再燃が、ヘッジ手段としての金需要を押し上げた。

このような経済・地政学的な不確実性が、テザーゴールドのような資産への関心を高める一因となったと考えられる。

規制面では、テザーゴールドがエルサルバドルのデジタル資産に関する法規制下に置かれたことが大きい。

これにより、法的な明確性が増し、市場における信頼性が向上した。スイスの金庫における監査も、透明性の確保に寄与している。

市場の動向も影響した。金価格が高騰する一方で、他の暗号資産(仮想通貨)市場が不安定さを見せたことから、投資家はトークン化された金のような代替資産へと目を向けた。

保管体制と市場での地位

金の準備資産はスイスで保管されており、LBMA基準の金の延べ棒の検証や定期的な分析を含む、多層的なセキュリティ対策の下で管理されている。

物理的な金の保管と同様に、デジタル資産の安全な保管方法としてコールドウォレットの重要性も増している。これにより、資産の安全性と信頼性が担保されている。

テザーゴールドは、7億7000万ドル(約1101億1000万円)という市場価値によって、トークン化された金市場における支配的な地位を確立し、競合他社を大きく引き離している。

今回の証明書は、価格変動よりも物理的な在庫の検証に重点を置いている点が特徴である。

これは、安定性と信頼性を重視するテザーゴールドの姿勢を示すものと言えるだろう。このような安定性を求める動きは、仮想通貨 長期保有を検討する投資家にとっても参考になるだろう。

著者: 早下 光

暗号資産ライター。2019年からの仮想通貨市場経験を基に、ブロックチェーン技術の基礎から応用、最新ニュースまで、正確・深い情報で読者の理解をサポートします。