大手暗号資産(仮想通貨)取引所のコインベース(Coinbase)は23日、ノースカロライナ州シャーロットに新オフィスを開設し、130人以上の地元従業員を採用すると発表した。
同社によると、この進出は米国内の多様な人材を活用し、金融の主要拠点での事業を拡大する戦略の一環だ。
今回の採用は、複雑化する規制環境への対応や、利用者体験の向上に不可欠なコンプライアンス部門とカスタマーサポート部門の強化に主眼が置かれている。
シャーロット選定の背景
当メディアおすすめの仮想通貨の取り扱いもしている、コインベースがシャーロットを選んだのには、いくつかの重要な要因がある。まず、同市が大手銀行や金融サービス企業の集積地であることが挙げられる。
これにより、特にコンプライアンスや伝統的な金融の分野で、質の高い人材を確保しやすくなる。
加えて、政治家による仮想通貨推進の発言など、地域における仮想通貨投資ビジネスに対する比較的好意的な雰囲気も、進出を後押ししたと考えられる。
この動きは、優秀な金融人材が存在し、かつ運営コストを抑えられる地域に進出するというコインベースの目標とも一致する。
同社はリモートワークを基本とする方針を維持しつつも、従業員が地理的に近い場所で働くことによる相乗効果も期待しているようだ。
今後の展開と地域への影響
今回のシャーロットでの採用は、コインベースのブライアン・アームストロングCEOが発表した、2025年に米国内で約1000人を新規雇用する計画の一部である。
コインベースは2020年に、リモートワークを基本とする「リモートファースト」の方針を導入した。
一方でサンフランシスコとニューヨークには、従業員が対面で協働するための拠点(ハブ)を引き続き設けている。
シャーロットの新オフィスは、リモートワークを基本とする同社の体制を補完し、現地でのチーム連携や協力を促進する役割を果たす。
また、このオフィス開設が、シャーロットのフィンテック分野の重要拠点としての評価を高めることも期待される。
募集職種の給与は、年俸制で9.6万ドル(約1363万円)から11.7万7ドル(約1661万円)、時給制で32ドル(約4500円)から41ドル(約5800円)の範囲となる見込みだ。
採用プロセスは今後6ヶ月かけて進められ、成功すればさらなる拡大の可能性もある。
このコインベースの投資は、シャーロットのフィンテック分野だけでなく、より広範な地域経済の発展に対しても好影響を与えるものとして期待されている。
大手取引所の積極的な動きは、市場全体の活性化につながり、将来有望な新しい仮想通貨が登場する土壌を育む可能性もある。