ステーブルコイン大手のテザーは、SECの提出書類によると、今月、ビットコイン採掘企業ビッディアの株式をさらに3200万ドル分購入した。
テザー、ビットディアへの出資比率を高める
これは、同社が3月に行った148万株の購入に続くもので、市場の低迷期における大規模な投資となる。
この結果、4月14日時点でテザーのビットディアに対する持ち株比率は24.2%に達し、ビットコイン(BTC)マイニング分野への関与を強めている。
市場低迷下の戦略的投資
現在、暗号資産(仮想通貨)のビットコインマイニング業界は厳しい状況にある。
ビットディアの株価は年初来で約67%下落しており、MARA HoldingsやRiot Platformsといった他の大手マイニング企業も同様の苦境に直面している。
仮想通貨マイニング難易度の上昇とビットコイン価格の停滞も、マイニング事業者の収益を圧迫する要因となっている。
こうした状況下では、代替的な収益源としてステーキングに関心が集まる可能性もある。多くの企業が、保有するビットコインを売却して運転資金を確保しようとしている状況だ。
このような市場環境下でのテザーによる投資は、同社のビットコインマイニングエコシステム強化への意欲を示すものだ。
テザーはステーブルコイン事業に加え、ビットコインマイニング、エネルギーインフラ、その他の技術分野へも事業を拡大している。
一方、ビットディアはマイニング用チップの生産からエネルギー管理までを一貫して手がける、垂直統合モデルを推進しており、マイニングの効率性と持続可能性の向上を目指している。
テザーからの支援は、ビットディアの成長戦略を加速させ、持続可能なマイニング分野におけるリーダーシップ確立を後押しすると期待される。
さらに、テザー社は最近、自社のビットコインハッシュレート(採掘能力)を分散型ビットコインマイニングプール「OCEAN」に提供する計画を発表した。
これは、ビットコインネットワークにおけるハッシュパワー(採掘速度)の過度な集中を防ぎ、分散化に貢献しようとする同社の姿勢を示すものだ。
市場が不安定な時期には、投資家は仮想通貨 長期保有といった戦略も考慮に入れるだろう。