SEC、仮想通貨ETF関連3規則案の審査期間を6月まで延長

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SECによる仮想通貨ETF規制を示す概念図

米国証券取引委員会(SEC)は14日、暗号資産(仮想通貨)関連の上場投資信託(ETF)に関する3つの規則変更案について、審査期間を延長した

今回の延長対象となったのは、ニューヨーク証券取引所アーカ(NYSE Arca)が申請した、投資商品のグレイスケール・イーサリアム・トラストETF(ETHE)におけるイーサリアム(ETH)のステーキング許可案である。

加えて、米シーボーBZX取引所が申請した資産運用会社ウィズダムツリー(WisdomTree)及びヴァンエック(VanEck)のファンドに関する2つの提案も含まれる。

これにより、投資企業グレイスケール(Grayscale)の提案については6月1日、ウィズダムツリーとヴァンエクの提案に関しては6月3日が新たな審査期限となった。

各提案の詳細と意義

グレイスケールの提案は、イーサリアムETFがイーサリアムネットワークのプルーフ・オブ・ステーク(PoS)に参加し、ステーキング報酬を得ることを可能にするものである。

これは投資家に追加の利回りをもたらす可能性がある一方、規制上の複雑な問題を伴う。

ウィズダムツリーとヴァンエックに関する米シーボーBZX取引所の提案は、それぞれのビットコイン(BTC)およびイーサリアム関連ファンドにおいて、現物の仮想通貨によるファンドの売買を認めるものである。

この仕組みは、仮想通貨に連動するETFの効率的な運用にとって重要とされる。

審査期間延長の背景

SECが審査期間を延長する主な理由は、提案された規則変更が投資家保護と市場の安定性という目標に合致するかを慎重に評価するためである。

一般からの意見公募の内容を精査し、懸念事項に対処するための時間も必要となる。

SECは、各提案が仮想通貨金融商品の規制に与える影響を徹底的に分析する必要もある。

今回の審査期間延長は、技術革新、規制による監督、そして投資家保護の間のバランスを慎重に考慮しようとするSECの姿勢を示している。

著者: 松田 明日香

暗号資産投資を2020年に始め、ビットコインやNFT、DeFiなど複数の分野で投資経験を有する。2025年1月にICOBenchに参加し、専門的な暗号資産ライティングを手掛けている。