イーサリアム(ETH)のヴィタリック・ブテリン共同創業者は、5月初旬に予定されている「Pectra(ペクトラ)」アップグレード後、同ブロックチェーンネットワークの将来のハードフォークアップグレードがより速いペースで実施される可能性があると示唆した。
Pectraは、EIP-7702(トランザクション柔軟性向上)やEIP-7594(データ効率化)を含むアップグレードで、ガス代削減とセキュリティ強化を目指す。
同氏の発言の背景には、テストネットの改善やコードレビュー自動化により、開発効率が向上していることがあるという。
ブテリン氏の発言の背景
これまでイーサリアムは、1~2年ごとに大規模なハードフォークを実施。
2022年に実施した「Marge(マージ)」では、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)へ移行しエネルギー消費を99.95%削減に成功した。その後も、2023年の「シャペラ」や「デンクン」などのアップデートを実施してきた。
しかしこれらのアップデートは、広範なテストが必要となっていた。一方今後は、EIP(改善提案)プロセスの標準化で、今後は6~9カ月間隔でのアップデートも可能になるという。
イーサリアムは今後、スケーラビリティ向上の基盤を整える計画の一環として、次なる「The Verge」(2026年初頭予定)などのアップデートも控えている。
市場への影響
アナリストは、開発加速がソラナなどライバルとの差別化を強化すると評価。ETH価格は現在2,000ドル以下となっているが、Pectra成功で4,000ドル台回復の期待もされている。
長期投資家は、分散型金融(DeFi)や非代替性トークン(NFT)のユーザー体験向上を重視。
頻繁なアップグレードは技術革新を加速し、イーサリアムの競争力を高めるが、コミュニティの適応力が鍵となる。