FBI長官交代、仮想通貨市場に波紋|規制強化への警戒強まる

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ビットコインの値勢と重要レベル

FBI(連邦捜査局)は20日、指導者交代を発表した。新たにカッシュ長官がパム・ボンディ司法長官の監督のもと、正式にFBI長官に就任した。

ビットコインとイーサリアムが即座に下落

発表直後、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)は、それぞれ0.5%と1.2%の下落しを記録。これに伴い、Crypto Fear & Greed Index(恐怖・強欲指数:市場心理を表す指標)は52から48に低下し、投資家の警戒感が高まった。

仮想通貨取引所Binance(バイナンス)はBTC/USD取引量が15%増加し、2万2500BTCに達した。さらに、Kraken(クラーケン)のETH/BTC取引量も10%増加し、市場の取引活動が活発化している。

規制強化への懸念、市場は警戒モードへ

今回のFBI指導者交代により、金融犯罪の取り締まりが強化される見通しが広がっている。

特に、マネーロンダリングや不正取引の監視が徹底され、主要な仮想通貨取引所やDeFi(分散型金融:ブロックチェーン技術を利用した金融サービス)プラットフォームへの規制が厳しくなる可能性がある。

発表から90分以内に、ビットコインのアクティブアドレス数は75万から85万に増加した。多くのトレーダーがポートフォリオを見直し、安定資産であるステーブルコインへの移行やリスク分散を図っていることが示唆される。

テクニカル指標が示す市場の不安定性

市場のテクニカル分析では、ビットコインのRSI(相対力指数:相場の勢いを示す指標)が60から55に低下し、中立状態が示唆された。さらに、イーサリアムのMACD(移動平均収束発散:トレンド転換を見る指標)が弱気転換しており、今後の下落リスクに注意が必要である。

また、ボリンジャーバンド(移動平均線を基にした価格変動の指標)の拡大により、ビットコイン価格の変動幅が大きくなる兆候が見られる。

今後の展望

現時点では、新たな規制に関する具体策は発表されていないが、市場の警戒感は依然として強い。今後はFBIやSEC(米証券取引委員会)、財務省など政府機関の発表に注目が集まる。

規制が強化されれば、さらなる下落や不安定な値動きが続く可能性がある。 投資家はリスク回避の姿勢を強め、政府の動向を慎重に見極めている。仮想通貨市場は規制次第で大きな転換点を迎える可能性がある。

滑川 翼

日本版ICOBenchライター。2021年から仮想通貨に興味を持ち、ビットコインやイーサリアムの投資を開始。複数の仮想通貨メディアで執筆を経験し、現在も継続中。仮想通貨やミームコインなど、WEB3領域を得意とする。