米証券取引所大手のナスダック(Nasdaq)は28日、米国証券取引委員会(SEC)にグレースケール(Grayscale)のアバランチETF上場申請書類(Form 19b-4)を提出した。
この申請は、暗号資産(仮想通貨)運用会社グレースケールが既存のアバランチトラストを上場投資信託(ETF)に転換する計画の一環だ。アバランチトラストは2024年8月22日に立ち上げられた投資商品で、投資家が仮想通貨アバランチ(AVAX)を直接管理することなく投資できる手段を提供している。
デジタル・カレンシー・グループ(DCG)の子会社であるグレースケールは、グレースケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)などの仮想通貨投資商品で知られる大手運用会社だ。
アルトコインETF市場の拡大傾向
この申請は、ビットコインとイーサリアム以外のアルトコインETFへの関心の高まりを反映している。2024年初頭にビットコインETFとイーサリアムETFが承認された後、バンエック(VanEck)やグレースケールなどの企業がより多様な仮想通貨へのアクセスを提供するために規制された投資オプションの範囲を拡大しようとしている。
この動きは、SECのゲーリー・ゲンスラー委員長の退任や新政権下での規制方針の変更など、最近の規制当局の態度変化によっても影響を受けている。
アバランチETFの特徴と影響
提案されているグレースケール・アバランチETFは、AVAXトークンを直接保有し、投資家が従来の証券口座を通じてこれらの資産にアクセスできるようにする。このETFのカストディアン(資産管理者)はコインベース・カストディ(Coinbase Custody)で、BNYメロン・アセット・サービシング(BNY Mellon Asset Servicing)がトラストの管理者および振替機関として指定されている。
承認された場合、このETFは投資家にAVAXへの投資をより柔軟かつアクセスしやすい方法を提供し、アバランチネットワークの需要と採用を潜在的に増加させる可能性がある。
業界内の競争と今後の展望
グレースケールにとってこの動きは、仮想通貨商品の拡大と成長するアルトコインETF市場での競争力強化のための戦略的なステップと見られている。バンエックなど他の企業もアバランチETFの申請を提出しており、この分野での競争の激化を示している。
仮想通貨ETF市場の拡大は、機関投資家や個人投資家に対して、より多様な仮想通貨へのアクセスを提供するだけでなく、仮想通貨業界全体の成熟度を高める重要な発展となっている。アバランチを含む主要アルトコインのETF承認は、仮想通貨投資の主流化への大きな一歩となる可能性がある。