香港SFC、世界初のトークン化マネーマーケットETFを承認

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香港の街並みを背景にしたトークン化ETFのデジタル表現

アジアのデジタル資産金融サービスグループのHashKey Groupとボセラ・アセット・マネジメント(インターナショナル)は28日、共同開発した香港ドルと米ドルのマネーマーケットETFのトークン化ソリューションが香港証券先物委員会(SFC)の承認を取得し、2025年4月に正式発行すると発表した。

この製品は世界初のトークン化マネーマーケットETFとなる見込みで、従来の金融商品とブロックチェーン技術の融合における画期的な一歩となる。

世界初のトークン化マネーマーケットETFの詳細

承認を受けた商品には、ボセラ香港ドルマネーマーケットETF(上場投資信託)とボセラ米ドルマネーマーケットETFが含まれている。これらのETFは香港金融管理局(HKMA)の「Project Ensemble Sandbox」の一環として開発され、実物資産のトークン化を探求するプロジェクトとして位置づけられている。

これらのETFは主に国債やコマーシャルペーパーなどの短期・低リスク資産に投資するもので、投資家に安定した流動性の高い投資オプションを提供する。HashKey Exchangeが主要な販売チャネルとなり、同社のEarn Channelを通じて保管サービスも提供する予定だ。

ブロックチェーン技術を活用した金融商品の革新

このトークン化プロセスでは、ブロックチェーン技術を活用して透明性と運用効率を高め、投資家が高品質なマネーマーケット商品に直接アクセスできるようにしている。これにより、仲介者への依存度が減少し、取引速度が向上するという利点がある。

HashKey Groupは「NexaToken」サービスを通じて、HashKey Chainでの安全な資産管理のための包括的な技術サポートとインフラを提供している。このパブリックチェーンは、実物資産の発行者を含む金融機関に好まれているという。

伝統的金融とWeb3の融合と将来展望

この商品は特にオンチェーン投資家やZ世代の投資家にとって魅力的なオプションになると見られている。DeFi投資家にとっては、仮想通貨市場のリスク管理と利回りの安定化を図るための「イールドスタビライザー」として機能することが期待されている。

ボセラは今後もブロックチェーン技術をより多くの金融商品に適用し、ステーブルコインなどのトークン化された金融商品の範囲を拡大する計画だという。これにより、効率性と流動性の向上を通じて、個人投資家と機関投資家の双方を引き付けることを目指している。

この承認は、香港が金融セクターにおけるイノベーションを促進する規制環境を整えていることを示すものであり、伝統的金融とWeb3技術の統合における重要な一歩と位置づけられている。

峯 竜也

暗号資産とブロックチェーン技術に特化したジャーナリスト。業界の最新動向や市場分析を発信。技術的な深掘りから初心者向けガイドまで、幅広い読者に向けたコンテンツ制作を得意とする。