Bybit、1.46兆円相当のイーサリアム流出:仮想通貨市場に衝撃

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Bybit Major Hack

仮想通貨取引所Bybitが、大規模なハッキング被害に遭い、1.46億ドル相当のイーサリアム(ETH)が流出した。この事件は、2025年最大のハッキング被害となり、仮想通貨市場全体に大きな影響を与えている。被害の詳細や市場への影響について詳しく見ていく。

被害の概要と攻撃の手口

Bybitはシンガポールに拠点を置く大手仮想通貨取引所であり、今回のハッキングで1.46億ドル(約1,750億円)相当のETHが流出した。攻撃は、Bybitのマルチシグネチャコールドウォレットが標的となり、高度なフィッシング手法が用いられた。攻撃者は、ウォレットの署名者を騙して不正な取引を承認させ、資金を不明なアドレスに送金したという。

攻撃の手口は極めて巧妙で、偽のUI(ユーザーインターフェース)を表示させ、正規の送金アドレスのように見せかけていた。その結果、署名者は不正を認識せずに承認を行ってしまった。

ZachXBTという有名な仮想通貨調査員によれば、攻撃者は39のアドレスに合計10,000 ETHを保有しており、盗まれた資金は複数のアドレスに分散され売却されているという。

市場への影響と価格の変動

このハッキングのニュースは、仮想通貨市場全体に大きな影響を与えた。特にビットコイン(BTC)とイーサリアムの価格は急落した。事件前に99,497.97ドルまで上昇していたBTCは、攻撃の報道を受けて98,643.46ドルに下落。ETHも同様に、2,842.83ドルから2,680.69ドルまで急落した。
Ethereum Price Chart after Hack Bitcoin Price Chart after Hack

特に、Bybitを利用していた投資家たちにとっては大きな不安要素となり、市場のボラティリティ(価格変動)が高まっている。これにより、新しい仮想通貨への投資意欲が一時的に低下する可能性がある。

仮想通貨取引所のセキュリティ課題

仮想通貨取引所に対するハッキングは今回が初めてではなく、過去にも多くの事例が報告されている。例えば、2011年のMt. Gox事件では25,000 BTCが流出し、インド最大の取引所WazirXでも2億3,000万ドルの被害が発生している。

これらの事件を通じて、仮想通貨取引所はセキュリティ強化の必要性がますます高まっている。特にコールドウォレットとウォームウォレットの接続部分が攻撃のターゲットとなることが多く、今回のBybitの事件でも同様の脆弱性が突かれたとみられている。

セキュリティ強化の必要性と今後の対策

BybitのBen Zhou CEOは、今回の事件を受けてセキュリティ対策を強化する意向を示している。特に、フィッシング対策の強化と、ウォレットの承認プロセスを見直すことが課題となっている。

Security Measures Needed after Hack

また、暗号資産業界全体でのセキュリティ意識の向上と、技術的なセキュリティ対策の強化が求められている。

仮想通貨市場の成長とともに、攻撃の手法も高度化しているため、特にアルトコインを含む様々な暗号資産への影響を考慮した対策が必要となる。

まとめ

今回のBybitのハッキング事件は、仮想通貨市場に大きな衝撃を与えた。1.46億ドル相当のETHが流出し、BTCやETHをはじめとする主要な仮想通貨の価格に影響を及ぼした。また、アルトコイン 市場や 新しい仮想通貨 への投資にも一時的な影響を与える可能性がある。

仮想通貨取引所は、今後さらに高度なセキュリティ対策を講じる必要があり、利用者も自身の資産を守るための対策を検討すべきである。

佐々 道幸

日本版ICOBench編集者。2016年から仮想通貨投資を開始し、NFTへの投資経験も持つ。20年よりライターとしてのキャリアをスタートし、24年08月、日本版ICOBenchに参画。専門分野はクリプト、ブロックチェーン、Web3。

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