FTXとは?事件の経緯や破綻した理由をわかりやすく解説 私たちを信頼する理由 ICO Benchは、読者が最新の初期コイン提供と暗号通貨の事前販売を見つけることができるように、暗号通貨の専門家チームによって作成されました。すべてのコンテンツは、事実の正確性、中立性、および有用性を保証する厳格な編集ポリシーに従います。 私たちは、読者が情報に基づいた決定を下すのに役立つ洞察力のあるコンテンツを提供し、安全とリスク管理の優先順位の重要性を強調することを目指しています。私たちのコンテンツのすべての情報は、作家と編集者からなるチームによって行われた細心の研究に基づいています。私たちは評判の良いソースを使用して関連プロジェクトを見つけ、正確さのためにすべてのコンテンツを定期的に更新するようにします。 私たちを信頼する理由 ICO Benchは、読者が最新の初期コイン提供と暗号通貨の事前販売を見つけることができるように、暗号通貨の専門家チームによって作成されました。すべてのコンテンツは、事実の正確性、中立性、および有用性を保証する厳格な編集ポリシーに従います。 私たちは、読者が情報に基づいた決定を下すのに役立つ洞察力のあるコンテンツを提供し、安全とリスク管理の優先順位の重要性を強調することを目指しています。私たちのコンテンツのすべての情報は、作家と編集者からなるチームによって行われた細心の研究に基づいています。私たちは評判の良いソースを使用して関連プロジェクトを見つけ、正確さのためにすべてのコンテンツを定期的に更新するようにします。 FTXとは2019年に設立され、わずか4年で世界第2位まで上り詰めた大手暗号資産(仮想通貨)取引所です。デリバティブ取引を中心に急成長しましたが、2022年11月に顧客資産の不正流用や不適切な会計処理が明らかになり、突如破綻。負債総額は数兆円規模に上り、暗号資産(仮想通貨)業界に大きな衝撃を与えました。 本記事では仮想通貨取引所FTXの破綻をわかりやすく解説するため、時系列順にFTX事件を追っていくとともに、破産・破綻理由や業界への影響まで幅広く解説します。 FTXからは仮想通貨投資で破産しないための注意点など多くの教訓が得られるため、仮想通貨投資に少しでも興味のある方はぜひ最後までご覧ください。 FTX(エフティーエックス)とは? 項目 内容 設立 2019年 創業者 サム・バンクマン=フリード 本社 バハマ 事業内容 仮想通貨取引所 特徴 デリバティブ取引に強み、急成長を遂げる 現状 2022年11月に破綻、破産手続き中 FTX(エフティーエックス)とは、2019年に設立された仮想通貨取引所です。正式名称はFTX Trading Ltd.(FTXトレーディング)で、サム・バンクマン=フリードとゲイリー・ワンによって創設され、急速な成長を遂げるも2022年11月に突如破綻しました。 FTXは2022年に日本の仮想通貨取引所Liquidを買収し、FTX Japanとして日本市場に進出していたこともあり、破産のニュースは日本国内でも大きく報じられました。 FTXの特徴について FTXは短期間で急成長を遂げた仮想通貨取引所として知られていましたが、その背景には以下の特徴がありました。 多様な取り扱い商品:FTXはイーサリアムを基にした多様なデリバティブ商品を展開。FTXはパーペチュアル取引(永久契約)、オプション取引、レバレッジトークンなど従来の仮想通貨取引所にはなかった商品を次々と提供した。 レバレッジ取引でも低いスプレッド:グローバル展開により高い流動性を実現したことで、FTXではレバレッジ取引でも狭いスプレッドの実現に成功した。 独自トークンの活用:FTXは独自トークンFTX Token(FTT)を発行、保有することで取引手数料の割引やステーキング報酬など、様々な特典を提供。これがユーザーの囲い込みに大きく貢献した。 これらの特徴により、FTXは短期間で世界有数の仮想通貨取引所へと成長しました。 FTX創設者サム・バンクマン=フリードについて サム・バンクマン=フリードは、FTXの創設者で元CEOです。1992年に生まれMITで物理学を学び、その後ウォール街で働いた経験を持ちます。2019年にFTXを設立し、急速に仮想通貨業界のトップ企業に成長させました。 サムの純資産は一時260億ドルに達し、30歳で世界最年少の億万長者の一人となったことで業界の顔として注目を集めていましたが、2022年11月のFTX破綻によりサムの評判は一変。詐欺や資金洗浄の疑いで逮捕され、現在は25年の懲役判決に控訴、再審を求めている状態です。 この判決の前後でサムに関連したミームコインが複数登場しており、価格の上下動を繰り返しています。 参考:失墜した「暗号資産王」に禁錮25年、NY連邦地裁 詐欺で有罪のFTX創業者 FTX事件の経緯を時系列で解説 FTXに何が起きたのかを理解するために、ここではFTXが破綻に追い込まれたFTX事件について、その設立から破綻までを時系列順に見ていきます。 2019年〜2021年:FTXの設立と急成長期 2022年前半:FTXの絶頂期 2022年11月初旬:メディアに不健全性を指摘される 11月8日:バイナンスによるFTTトークン売却発表 11月9日〜10日:取り付け騒ぎと取引停止 11月11日:FTXの破産申請 11月12日以降:捜査開始と関係者の逮捕 2019年〜2021年:FTXの設立と急成長期 2019年、サム・バンクマン=フリードとゲイリー・ワンによってFTXが設立されました。FTXは「Futures Exchange」の略称で、日本語訳の「先物取引所」の意味の通り、仮想通貨のデリバティブ取引に特化した取引所として急速に成長しました。 2020年8月、FTXは仮想通貨ポートフォリオ管理アプリであるBlockfolioを1.5億ドルで買収し、事業拡大を加速。2021年7月にはソフトバンク、セコイア・キャピタルなど60社以上の投資家から9億ドルを調達し、ビットコインキャッシュなど多様な仮想通貨を取り扱っていました。 さらにこの期間中、FTXは独自のアルトコインであるFTX Token(FTT)を発行し、利用者に取引所の手数料割引などの特典を提供しました。以下はFFTの2020〜2021年の価格チャートですが、チャートの真ん中の2021年頃から大きく上昇していることが分かります。 参考:FTX Token(FTT)価格・チャート・時価総額 | CoinMarketCap 2021年9月にはFTXは本社を香港からバハマに移転し、グローバルへの展開を強化しました。この急成長期においてFTXは世界有数の仮想通貨取引所として認知され、サムは業界期待の新星として注目を集めるようになります。 2022年前半:FTXの最盛期 2022年前半はFTXにとって最も勢いがある時期でした。2022年1月には4億ドルの資金調達に成功。同年6月には約10億ドルを投じて複数の企業買収や救済を行い、業界内でのホワイトナイト(救済者)としての役割を果たしていました。 FTXは低い手数料と魅力的な品ぞろえで顧客を引き付け、仮想通貨デリバティブ取引の最大手プラットフォームへと成長します。 2022年11月初旬:メディアに不健全性を指摘される 2022年11月2日、仮想通貨業界に衝撃が走ります。仮想通貨メディアであるCoinDeskが、FTXの姉妹会社であるAlameda Research(アラメダリサーチ)の総資産146億ドルのうち、約半分がFTXの自社トークンであるFTTで占められていることを明らかにしたのです。 この報道はFTXとアラメダリサーチの間に、不適切な資金の混在があるのではないかという疑惑を生み出しました。 さらにアラメダリサーチがFTTトークンを担保に多額の借り入れを行っていた可能性も指摘され、両社の財務状況の健全性に対する懸念も急速に広がります。 この報道を受けてFTXへの信頼性が揺らいだこともあり、FTTトークンの価格が下落し始めました。市場参加者たちはFTXの財務状況と経営の透明性に疑問を抱き始め、この疑念が数日後の大規模な資金引き出しの引き金となります。 11月6日:バイナンスによるFTTトークン売却発表 2022年11月6日、世界最大の仮想通貨取引所バイナンスのチャンポン・ジャオCEO(当時)が、FTXが発行するFTTトークンの大量売却を発表しました。 この発表は、以下の経緯で行われました。 バイナンスは前年にFTXの株式から撤退した際、約21億ドル相当のBUSDとFTTを受け取っていた ジャオは、「最近明らかになった新事実」を理由に、保有する残りのFTTを全て売却すると宣言 バイナンスは約2300万FTT(当時の価格で約5.29億ドル相当)を保有していた この発表を受けFTTの価格は急落し、24時間で約13%下落しました。 市場への影響を懸念したFTX側は即座に対応し、アラメダリサーチのキャロライン・エリソンCEO(当時)が1FTTあたり22ドルでの買い取りを提案しましたが、ジャオはこの申し出を無視したことで、FTTの価格下落は一層進行することになります。 11月9日〜10日:取り付け騒ぎと取引停止 11月9日未明、バイナンスがFTX救済のための買収を撤回したことで市場の不安は一気に高まり、多くの顧客がFTXから資金を引き出そうとする「取り付け騒ぎ」が発生しました。 FTXのプラットフォーム上では顧客が一斉に仮想通貨を引き出そうとする動きが加速し、その様子が透明性の高いブロックチェーン上で全て可視化された結果、さらなる不安を煽ることに。 9日深夜、FTXは顧客からの大量の出金要求に対応できなくなり、出金を停止する事態に陥りました。これによりFTXの流動性危機が決定的となり、市場全体にパニックが広がりました。 10日には、サム・バンクマン=フリードは今回の騒動の中心となったアラメダリサーチを解散すると発表。さらに同日バハマの規制当局がFTXの資産を凍結する措置を取り、日本でも関東財務局がFTX Japanに対して、業務停止命令を出しました。 参考:FTX Japan株式会社に対する行政処分について 11月11日:FTXの破産申請 2022年11月11日、FTXとその関連会社は米国デラウェア州の連邦破産裁判所に対して、連邦破産法11条の破産保護申請を行いました。この申請にはFTX.、FTX US、アラメダリサーチ、および約130の関連会社が含まれていました。 同日サム・バンクマン=フリードはFTXのCEOを辞任し、破産手続きの専門家で企業再建のスペシャリストであるジョン・J・レイが新CEOに就任。 破産申請の際、FTXは100億ドルから500億ドルの範囲で資産と負債を有し、10万人以上の債権者がいると推定されました。 さらに破産申請の数時間後、FTXは「不正な取引」の被害に遭ったと発表し、セキュリティ上の理由から仮想通貨をコールドウォレットに移動する計画を明らかにしました。外部の分析によるとこのハッキングにより、約4億7700万ドル相当の資産がFTXから流出したとされています。 11月12日以降:捜査開始と関係者の逮捕 FTXの破産申請後は、当局による捜査と関係者の逮捕が相次いで行われました。 12月12日、バハマ当局はサム・バンクマン=フリード元CEOをアメリカの要請に基づき逮捕。 翌13日、米国司法省、証券取引委員会(SEC)、商品先物取引委員会(CFTC)が、サムに対して電信詐欺、証券詐欺、マネーロンダリングなど8つの刑事訴訟を起こしました。 12月19日には、FTXの元幹部でありアラメダリサーチ元CEOのキャロライン・エリソンとゲイリー・ワン元FTX共同創業者が詐欺の罪を認め、当局の捜査に協力することに同意。 2023年11月にサムの裁判が行われ、7つの重罪で有罪判決を受けました。2024年3月28日、ニューヨークの連邦地裁はサムに対し禁錮25年の判決を言い渡し、110億ドル(約1兆6600億円)の資産没収も命じました。 以上がFTXの始まりから破綻までの経緯になります。 FTXが破綻した主な理由 FTX破綻までの道のりを時系列で解説してきましたが、ここからはFTXの倒産理由を3つの観点から解説します。 顧客資産の不正流用 ずさんな経営管理とガバナンスの欠如 FTTトークンへの過度な依存 顧客資産の不正流用 FTX破綻の最大の要因は、顧客から預かった資産を不正に流用していたことです。この不正流用は、FTXの姉妹会社であるアラメダリサーチへの資金移動という形で行われました。 具体的にはFTXは顧客から預かった約160億ドルの資産のうち、100億ドル以上をアラメダリサーチに不正に貸し付けていたとされています。この巨額の資金はアラメダの投機的な取引や、FTXグループの事業拡大のために使用されていました。 さらに深刻なのは、この不正流用が組織的かつ長期間にわたって行われていたことです。サム・バンクマン=フリードはアラメダリサーチのキャロライン・エリソン元CEOに対して、顧客資金を無断で流用するよう直接指示していたことが明らかになっています。 この行為は、仮想通貨取引所の最も基本的な原則である「顧客資産の分別管理」に完全に違反するものでした。 ずさんな経営管理とガバナンスの欠如 FTXの破綻を加速させた2つ目の重要な要因は、信じがたいほどずさんな経営管理とガバナンスの完全な機能不全でした。破綻後にFTXの新CEOに就任したジョン・J・レイは「前代未聞の経営の失敗」と表現しています。 FTXの経営管理とガバナンスの主な問題点は以下の通りです。 財務部門が存在せず、適切な会計処理や内部統制が一切行われていなかった 取締役会や社外取締役が不在で、創業者への権限集中が進み、経営の透明性が著しく低下していた 現金管理システムや正確な銀行口座リストが存在せず、資金の流れを適切に把握できていなかった このようなガバナンスの欠如により、FTXでは長期間にわたって不正な取引やずさんな資産管理が見過ごされてきました。 FTTトークンへの過度な依存 FTXの破綻を招いた3つ目の要因、それは自社発行のFTTトークンへの過度な依存です。FTXはFTTの価値を人為的に高く維持し、それを担保として資金を調達するというメカニズムを構築していました。よってFTTの価格が安定している限り機能しましたが、市場の信頼が揺らぐと急速に崩壊することになります。 FTTトークンに関する主な問題点を整理すると、以下の通りです。 FTXはFTTトークンを担保に多額の借り入れを行い、それを元手に事業拡大や投資を行っていた FTTの価値が暴落すると、FTXの財務状況が一気に悪化する構造となっていた アラメダリサーチの資産の大部分がFTTトークン建てだったことが、FTXの崩壊を加速させた この歪んだ構造により、2022年11月にFTXの財務状況に疑念が生じるとFTTの価格は急落し、草コインに近い時価総額となります。仮想通貨の儲かる銘柄とまで言われたFTTでしたが、これによりFTXの財務状態が一気に悪化し最終的な破綻へとつながることになりました。 FTX破綻が与えた仮想通貨業界への影響 FTX破産の影響は甚大で、仮想通貨業界に加えて関連企業へのダメージも大きいものとなりました。ここでは2つの側面からFTX事件の爪痕を解説していきます。 仮想通貨市場全体の信頼性低下 関連企業や周辺分野への影響 仮想通貨市場全体の信頼性低下 世界第2位の取引所FTXの突然の破綻は、ビットコインを始めとした仮想通貨業界全体への信頼性を急速に低下させることとなります。 信頼性の低下による影響は以下の通り。 仮想通貨の価格が全般的に下落し、ビットコインは年初来安値を更新する事態に陥った 投資家が取引所から資金を引き揚げる動きが加速し、業界全体の流動性が低下した 規制当局による仮想通貨業界への監視強化の動きが世界各国で加速した 以下は2022年から2023年のビットコインの価格チャートですが、一時的とはいえ仮想通貨市場への信頼低下があったことを分かりやすく表しています。 関連企業や周辺分野への影響 FTXの破綻は多くの関連企業にも深刻な影響を及ぼしました。 以下はその一例になります。 仮想通貨レンディング企業のBlockFiがFTXからの融資返済を受けられず、破産申請に追い込まれた 仮想通貨マイニング企業のCore ScientificがFTX関連の損失により経営難に陥り、株価が急落した 投資会社Sequoia CapitalがFTXへの投資額2.1億ドルを全額損失として計上し、評価を引き下げた 特にFTXと密接な関係にあった企業や、FTXの関連会社であるアラマダリサーチと取引のあった企業が大きな打撃を受けました。 FTXの破綻は周辺分野にも波及しています。 スイ(SUI)などの多数の上場予定の仮想通貨が発行延期を余儀なくされた 多くのDAO(分散型自律組織)プロジェクトがFTXに資金を預けていたことから、その資金が失われた FTXはNFTのマーケットプレイスとしての機能も提供しており、特にソラナベースのNFTプロジェクトに深刻な影響を及ぼした 破綻後のFTXの対応と規制当局の動き FTXの破綻が与えた影響は大きかったですが、ここからはFTXと規制当局それぞれのその後の対応をまとめます。 FTXの対応 FTXの破綻後、新経営陣は迅速かつ透明性の高い対応を心がけました。まず経験豊富な企業再建の専門家であるジョン・J・レイ新CEOの指揮下で、以下の重要な対応を行いました。 資産の回収と保全:約7億4000万ドルの仮想通貨の所在を特定し保全。不正引き出しされた3億7200万ドルの回収も試みる 再建計画の策定:わずか17ヶ月で140億ドル以上の再建計画を策定し、裁判所の承認を得た 債権者への返済:非政府系債権者に対し、通常の破産法下で支払われる額の100%以上の返済を計画 この再建計画により、政府機関以外のすべての債権者に対して、通常の破産法下で支払われる額の100%以上を返済することが可能となりました。これはFTXの破綻直後には「考えられない」とされていた結果であり、「複雑な破産処理のモデルケース」として評価されています。 規制当局の動き 世界各国の規制当局は第二のFTX事件の再発防止に向けて、仮想通貨業界に対する監視を強化し、新たな規制の導入を検討し始めました。以下は主要な規制当局の動きになります。 地域 規制当局 主な動向 アメリカ SEC(ゲンスラー委員長) 仮想通貨業界全体のリスクを指摘 事業者登録の重要性を強調 証券関連法の適用を主張 アメリカ CFTC(ベーナム委員長) 規制当局の役割の明確化を要求 顧客資産保護の必要性を主張 欧州連合 欧州中央銀行(ラガルド総裁) 既存のMiCAに加え「MiCA 2」を提唱 ステーキング、レンディング、DeFiへの規制を提案 日本 金融庁 顧客資産の優先弁済制度の検討 仮想通貨デリバティブ取引の規制強化 既存規制のさらなる強化を検討 FTX事件から学ぶべき重要な教訓 個人が仮想通貨やビットコインへの投資で破産しないために、FTX事件から学ぶべき教訓を3つここではご紹介します。仮想通貨だけでなく、幅広い金融投資に共通する項目になるため重要になります。 分散投資の重要性を再認識する 投資先の価値やリスク評価を怠らない 自己管理の重要性を理解する 分散投資の重要性を再認識する FTX事件は一つの取引所や資産に過度に依存することのリスクを明確にし、仮想通貨における分散投資の重要性を改めて認識させるきっかけになりました。仮想通貨取引所の倒産に備えるため利用する取引所を分散させることはもちろん、異なる種類の資産にポートフォリオを分散させることで様々なメリットが得られます。 リスクの分散:一つの投資先や取引所が倒産しても全体の損失を最小限に抑えられるため、安心してガチホ(長期保有)できる 市場変動に耐えられる:それぞれの資産クラスは市場の変動に対して異なる反応を示すため、ステーブルコインなど投資先を複数にすることでポートフォリオ全体の安定性が向上する 機会の最大化:プレセール仮想通貨など多様な投資先を持つことで、様々な収益機会を掴むことができる USDTなど価格がドルに連動しているステーブルコインなどに資産を分散させておくことで、仮想通貨に投資しながら安定性を保つことができます。 仮想通貨だけでなく、従来の金融資産との組み合わせも検討すべきです。株式、債券、不動産、貴金属など異なる資産クラスを組み合わせることで、より強固な投資ポートフォリオを構築できます。 投資先の価値やリスク評価を怠らない FTXは最盛期には世界で2番目の取引量を誇ったこともあり、多くの投資家が取引所の精査をせずに参加をしていました。そんなFTXの急な破綻は投資先の徹底的な調査と継続的なリスク評価(デューデリジェンス)の重要性を教訓として残しています。 この教訓を活かすポイントは以下の通り。 財務の透明性を確認:投資先企業の財務諸表を定期的に精査し、不透明な点や矛盾がないかを確認する ガバナンス構造:経営陣の経歴、意思決定プロセス、利益相反の可能性などを綿密に調査する リスク管理体制:企業の市場変動への対策、特に仮想通貨市場でのリスク管理方法を確認する 規制遵守状況:事業展開地域の規制に適切に対応しているか、ライセンスの有無などを確認する 外部監査:信頼できる第三者機関による定期的な監査を受けているかどうかを確認する おすすめの仮想通貨や取引所であったとしても、懸念点があれば躊躇せずに資金を引き上げる判断力を持つことも重要です。FTX事件は「大きすぎて潰れない」という思い込みの危険性を示した事例と言えます。仮想通貨のIEOも取引所が信頼できるか、よく調べた上で参加するべきです。 自己管理の重要性を理解する 仮想通貨を自己管理することの重要性も、FTX事件から教訓として学ぶことができます。仮想通貨の自己管理では以下の点に気をつける必要があります。 適切なウォレットの選択:メタマスクのようなセキュリティが高く、使いやすいウォレットを選ぶ 秘密鍵の徹底管理:ウォレットの秘密鍵やリカバリーフレーズを安全に保管し、定期的にバックアップを取る 取引所補完は最小限:取引に必要な最小限の資産のみを取引所に預け、取引後は速やかに自己管理ウォレットに移す 自己管理には責任が伴いますが、1000倍になった仮想通貨を持っていたとしても、取引所の破綻や不正行為によって資産を失っては意味がありません。自己管理を通じて仮想通貨技術への理解を深めることができますし、仮想通貨エアドロップで受け取ったトークンを安全に保管するためにも、信頼できるウォレットを準備しておきましょう。 破産後のFTXを巡る最新の動きについて 最後に破綻後のFTXに関する最新情報を整理しておきます。 顧客への返済計画が承認 2024年10月、FTXの破産処理計画が米国破産裁判所によって正式に承認されました。この計画によりFTXは最大165億ドル(約24.7兆円)の資産を顧客に返還することが可能になります。 主なポイントは以下の通り。 返金額:顧客は破産時の口座残高の約118%以上を受け取る見込み 対象者:98%の債権者が返金の対象 実施時期:計画の発効日から60日以内に返金開始予定 ただし仮想通貨での返済は困難とされており、現金での返済になる可能性が高いとされています。仮想通貨の税制は複雑なため、一部反対の動きも見られています。 資産回収の進展 FTXは破綻後、行方不明となっていた現金や仮想通貨の回収に成功し、さらにAI関連企業アンスロピックの株式売却など、様々な資産の清算を進めています。また2024年10月に仮想通貨取引所Bybitとの350億円規模の和解も成立しました。 FTX Japanの動向 日本では2023年7月にbitFlyerがFTX Japanを約45億円で買収し、「Custodiem(カストディエム)」として再出発しました。この動きは日本でのビットコイン現物ETFの解禁を見据えたものと見られています。 bitFlyerはFTX Japanを通じてカストディ(資産管理)事業を強化しアジアNo.1を目指す戦略を打ち出しており、これによる日本の仮想通貨市場での新たな展開が期待されています。 まとめ 本記事ではFTX破綻の時系列を解説しつつ、そこからの教訓や業界への影響、最新のFTXを巡る状況を解説してきました。 FTXは2019年に設立後、日本を含めた世界各国で急速に事業を展開した仮想通貨取引所で、2022年には取引高で世界第2位になるほどの規模を誇っていました。そのためFTXの破綻はビットコインなど仮想通貨への風当たりを強くし、「仮想通貨への投資はやめとけ」という風潮を強くしたとも言えます。 エルフトークンのような魅力的な仮想通貨を安全に購入・保有するためには信頼できる取引所を選ぶ必要があり、その際にFTXから得られる教訓は大いに役立ちます。投資を行う際は仮想通貨の買い方を参考にしつつ、投資先の分散とリスク評価を適切に行うようにしましょう。 FTXに関するよくある質問 FTXとは簡単に言うと何ですか? FTXは2019年に設立された大手仮想通貨取引所です。デリバティブ取引などの先進的なサービスで急成長し、世界第2位の規模に達しました。しかし2022年11月、顧客資産の不正流用などが発覚し突如破綻しています。 FTX Japanは現在どうなっていますか? FTX Japanは2023年7月にbitFlyerに買収され、「Custodiem(カストディエム)」として再出発しました。現在は一般顧客向けの取引サービスは提供しておらず、機関投資家向けのカストディ(資産管理)事業に注力しています。 FTXはなぜ引き出せないのか? FTXは2022年11月の破綻後、顧客資産の出金を停止しました。現在破産処理中で段階的な返金プロセスが進行中です。 一方FTX Japanは2023年2月から出金を再開しましたが、モバイルアプリで海外のFTXを利用していた一部顧客の資産が「分別管理の対象外」とされ、返還対象外となっています。この問題で10億円超の資産が引き出せない状況が続いています。 FTXはいつ崩壊しましたか? FTXは2022年11月11日に米連邦破産法第11条の適用を申請し、正式に破綻しました。 FTXで損した人は? FTXの破綻により、FTXの一般顧客や機関投資家、FTXの従業員、FTXと深く関わっていたSolana関連プロジェクトの投資家、モバイルアプリで海外のFTXを利用していた日本の投資家などが被害を受けました。 FTXが潰れた理由は何ですか? FTXの破綻は、顧客資産の不正流用やアラメダリサーチの不適切な関係、FTTトークンを利用した不透明な会計処理、適切な企業統治の欠如、そして大量の資金引き出し要求に応じられない流動性不足が重なった結果です。 これらの要因によりFTXは急速に信頼を失い、最終的に破産に至りました。 By shogo ICOBenchライター。2021年より株式や仮想通貨投資を開始し、金融とクリプト業界両方の最新情報に明るい。個人メディア「しょーごログ」にて400記事以上を執筆。投資経験を活かし、2024年よりライターとしてジョイン。 View all of shogo's posts