主要な暗号資産(仮想通貨)取引所のBinanceやKuCoinなどは15日、データセンタープロバイダーであるAmazon Web Services(AWS)の問題によりサービス障害が発生した。
両取引所は、AWSのネットワーク中断を理由に出金を一時停止した。
バイナンスはその後まもなく出金を再開したが、両プラットフォームのユーザーは、取引注文の発注において引き続き困難に直面した。
We are aware of an issue impacting some services on the #Binance platform due to a temporary network interruption in the AWS data center.
Some orders are still successful, but some are failing. If users failed, they may keep retrying.Our team is working closely with AWS to…
— Binance (@binance) April 15, 2025
この障害の影響は、仮想通貨ウォレットサービスとして知られるRabbyやDeBankといった他の暗号資産関連サービスにも及んだ。
AWSは、ストレージや計算能力といった重要なクラウドインフラサービスを提供している。これらは、仮想通貨取引所における大量の取引処理に不可欠である。
主要な取引所がAWSに依存している事実は、これらのプラットフォームがいかにインフラ障害に対して脆弱であるかを浮き彫りにする。
AWSは高い信頼性を誇るものの、過去にも大規模な障害が発生し、仮想通貨プラットフォームだけでなく様々なウェブサービスに影響を与えた事例がある。
インフラ依存と分散化の議論
今回の事態は、多くの仮想通貨サービスがいかにAWSのようなクラウドインフラプロバイダーに大きく依存しているか、その中央集権的な性質を強調した。
このような中央集権性は単一障害点を生み出し、AWSに影響する問題が同時に複数のプラットフォームを停止させる可能性がある。
AWSは、取引所が最小限の遅延で大量のトランザクションを処理できるように、スケーラブルで信頼性の高いクラウドコンピューティングサービスを提供している。
しかし、今回のような障害は、この依存に伴う潜在的なリスクを業界に再認識させた。
サービス復旧と業界の反応
障害発生後、バイナンスや影響を受けた他のプラットフォームのサービスは徐々に回復した。ただし、一部のユーザーからは注文執行に関する問題が引き続き報告された。
仮想通貨コミュニティからは、批判と激励が入り混じった反応が見られた。一部では、AWSのような中央集権型プロバイダーへの依存を減らすために、DAO(分散型自律組織)のような分散型クラウドサービスの利用を提唱する声も上がっている。