SEC、リップル社との法的争いの決着に近づく

私たちを信頼する理由
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リップル社とSECの法的和解を象徴する天秤と晴れゆく空

米国証券取引委員会(SEC)は12日、リップル社との長期にわたる法的闘争の終結に近づいているとフォックス・ビジネスのエレノア・テレット記者がX(旧ツイッター)で報じた。

この報道は、米国の暗号資産(仮想通貨)規制環境に新たな展開をもたらす可能性がある。

リップル社とSEC、和解に向けて前進

テレット記者の水曜日の投稿によると、事情に詳しい2つの情報源が、SECは最終条件が合意されればリップル社との法的紛争を終わらせることを検討していると伝えている。

交渉は、リップル社の法務チームがアナリサ・トーレス地方裁判所判事による2023年7月の判決に関してより有利な結果を求めているため停滞しているという。この判決ではリップル社に1億2500万ドル(約185億円)の罰金支払いが命じられた。

この判決は、SECが当初求めていた約20億ドル(約2960億円)の罰金よりも大幅に少額だったため、リップル社にとって部分的な勝利と見なされていた。

2024年10月、SECはトーレス判事の判決に対して控訴し、リップル社のブラッド・ガーリングハウスCEOはこの動きが規制当局の信頼性と評判を損なうと批判した。

ガーリングハウスCEOは控訴直後、Xで「リップル(XRP)が非証券であることは今日の法律上の事実であり、この誤った—そして腹立たしい—控訴があっても変わらない」と述べた。

米国の暗号資産セクターに規制変化の兆し

潜在的な和解のニュースは、ゲーリー・ゲンスラー前委員長の辞任に伴い、SECのブロックチェーン業界に対するアプローチに広範な規制変化が起きていることを示している。

ゲンスラー氏の在任中、SECはクラーケン、コインベース、コンセンシスなどの主要な暗号資産企業に対して複数の訴訟を起こした。

最近、SECはいくつかのデジタル資産関連の訴訟を取り下げたが、コインベースやロビンフッドなどの大手企業に対する訴訟は継続中だ。

ドナルド・トランプ前米国大統領は長期保有を視野に入れた暗号資産規制を支持しているが、彼の立場に関しては暗号資産コミュニティから様々な反応を受けている。

SECがリップル社と和解すれば、同社は規制上のペナルティを免れる暗号資産企業の増加リストに加わることになる。

リップル社の運命と業界全体への影響

SECのリップル社に対する訴訟の解決は同社にとって勝利となるが、暗号資産規制をめぐる広範な戦いはまだ決着していない。

一部の企業は強制執行措置が取り下げられたものの、他の企業は法的課題に直面し続けており、業界を不安定な状態に置いているアプローチの断片化が浮き彫りになっている。

攻撃的な訴訟からの転換はより測定された戦略を示すかもしれないが、明確な規制枠組みがなければデジタル資産企業は不確実な状態に置かれたままだ。

現在の疑問は、政策立案者がこの機会を捉えて明確性を提供するのか、それとも業界を再び推測に委ねるのかである。

リップル社とSECの和解は、デジタル資産業界全体に影響を与える転換点となる可能性がある。特に規制上の明確さを求める他の企業にとって、重要な先例となるだろう。

峯 竜也

暗号資産とブロックチェーン技術に特化したジャーナリスト。業界の最新動向や市場分析を発信。技術的な深掘りから初心者向けガイドまで、幅広い読者に向けたコンテンツ制作を得意とする。