いままで2回にわたり、ブロックチェーンと相性のいい業界を、例を交えて紹介してきました。
アメリカ、中国においては研究、開発が進み、すでにユースケースとして成り立っているものもあります。
これからブロックチェーンという言葉を知らない人はいなくなり、より身近なものになっていくことが予想されます。
今回は経済紙フォーブス(Forbes)が発表した『世界の株式公開企業トップ2000』のランキングを見ていきます。なぜこのランキングをご紹介するかは、のちに説明します。
このランキングは『グローバル2000』と名付けられ、今年で16年目を迎えます。世界60か国の上場企業が含まれ、これらの企業を合計すると、総年間収益39.1兆ドル(約4300兆円)、総利益3.2兆ドル(約350兆円)など、全指標において素晴らしい結果を出しています。
トップ5社は次の5社です。
1位 中国商工銀行(ICBC)
2位 中国建設銀行(CCB)
3位 JPモルガン チェース銀行(JP Morgan Chase)
4位 バークシャー ハサウェイ(Berkshire Hathaway)
5位 中国農業銀行(ABC5)
このランキングを見ても、アメリカと中国が世界の金融の2トップと言えます。
さて、今回、このランキングをご紹介した理由はほかでもない、このトップの企業はそれぞれブロックチェーンの技術をすでに取り入れているからです。
詳しく見ていきましょう。
1位の中国商工銀行は中国国家知識産権局にブロックチェーンの技術を用いています。これにより銀行ならではの証明書発行の煩わしさや時間ロスを軽減することができるので、現在、特許を申請しています。
2位の中国建設銀行は2017年にIBMと共同でブロックチェーンを利用した保険商品を香港で開始しています。中国建設銀行と、提携する保険会社のどちらもより効率的なサービスを提供できるようになりました。
3位のJPモルガンチェース銀行はニューヨークに本社があり、アメリカ最大の銀行です。
銀行内に分散台帳技術の研究開発部門を設立し、プラットフォームの開発を行っています。トランザクションを高速かつ高処理で行うことが可能です。
4位バークシャー ハサウェイは当社ではなく、その子会社がブロックチェーン技術に積極的に関わっています。
そのうちの一つにBNSF鉄道があります。
200超えの企業が参加するブロックチェーン輸送連合(Brockchain in Transport Alliance)にアメリカの主要鉄道会社として初の参加を表明しています。
最後は5位の中国農業銀行です。
中国農業銀行は中小農業経営者向けの融資システムに向けて、ブロックチェーン技術を導入しています。中小農業経営者が信用履歴の欠如により、銀行融資を受けるのが難しいことがあります。
このシステムにより、中国農業銀行のデータベースから信用記録を引き出し、サービスを提供します。
以上に見てわかるように、世界のトップ企業5社はブロックチェーン技術を取り入れ、世界経済に大きな影響力をもたらしています。
これからますます、多くの企業がその技術を取り入れるであろうブロックチェーン、取り残されないように企業は対策をしないといけないかもしれません。