今回も引き続き、ブロックチェーンのユースケースについてみていきます。
前回は選挙、カーシェアリング、教育、チャリティーの分野におけるブロックチェーンのユースケースを見ました。
では引き続き見ていきましょう。
⓵保険
自動運転車の増加や、ペット保有率の上昇などにより生命保険もとより、損害保険、再保険、ペット保険の分野においてもブロックチェーン技術の導入が進んでいると感じます。
また保険は無形商材であるが故に、証明や手続きにおいてもコストと労力を必要とします。
その際にも透明性が高く、改ざん不可能なブロックチェーンを用いることによって、正確、そしてスピーディーに確認、必要書類の発行が可能です。
②音楽、エンターテイメント
音楽、エンターテイメント業界には慢性的な課題があります。それは著作権保有者の裁量が少ないことと、実際のアーティストに正当な対価が支払われていないことです。
楽曲が作成されたときに著作権は発生し、その権利は作成者に与えられます。ですが、現在の音楽業界では、作成者ではなく、著作権管理団体が音楽使用料などの管理、決定を行っていることから、実際の著作権保有者の裁量が少ない構造になっています。
またこの構造から、本来の著作権保有者である作成者への対価が少ないことも挙げられます。
楽曲をメディアやショップで流通させるということになると、仲介料や宣伝料もかかるのでさらに対価としては少ないものになってしまいます。
そこで、正しい履歴が残るというブロックチェーンの特徴を用いることで楽曲の使用や料金についてシステマチックになります。
著作権の権利保有者についても手間なく探すことができ、権利公開をされることによって管理者が守られます。
また楽曲の使用においてもブロックチェーンに残ることによって、再生回数や購入回数などが正確に記録されるため、作曲者、アーティストの権利や対価は守られます。
そこに仲介業者を挟まないことで、よりクリアな報酬を得られます。
③食品衛生問題
産地偽装、食品衛生、成分表示、食品ロス(大量生産大量破棄)など、食品に関する問題は山積みです。トレーサビリティを高めるためにもブロックチェーンは有効です。
ブロックチェーンを用いて、だれもが食品を簡単に管理・追跡することができるます。そして産地や品質においての書類作成は自動化・効率化され、データ改ざんも防ぐことができます。ブロックチェーンは食品のあらゆる問題の根本的解決方法になります。
消費者においても、安全なものを必要な分だけ食することができ、食材ロスなど解決に一役かうでしょう。
ブロックチェーンを取り入れることのメリットや、業界を問わないことについては何度もお伝えしていますが、一部の企業や団体の腰が重いままなのには理由があります。
それは導入コストの面や、知識、技術をきちんと理解できていないから、などといった理由です。
特に日本においては、インフラや金融で一定水準以上のクオリティですでに運営がされているため、ここを壊してまで新しくブロックチェーンの技術を取り入れることに、なかなか積極的になることができていません。
コストや技術取り入れの時間に関してはある程度、かかることがあるかもしれませんが、普及していくにつれて、より身近なものになることは間違いありません。