前回は2018年に日本で行われたブロックチェーンのイベントを中心にお伝えしました。
それらにより日本人のブロックチェーンに対する興味関心が高まったことは間違いありません。
近年、ブロックチェーンの技術研究や開発が進み、多くの企業がブロックチェーンについて興味関心を示し、取り入れようとしています。
今回は日本においていち早く、ブロックチェーンに注目し、取り入れている企業をいくつかご紹介します。
⓵ソフトバンク×ブロックチェーン
ソフトバンクといえば、日本における大手携帯電話通信企業の一つです。日本にとどまらず、孫正義社長はアップルなどをはじめとする名だたる海外企業とも提携し、常に新しい事業に取り組んでいます。
出版事業からはじまり、ソフトの卸業、通信業界、人工知能研究など手掛けている業種は多岐にわたる同社ですが、近年ではブロックチェーン技術に関連するサービスをはじめています。
ソフトバンクはそこで得た知見と先述した海外企業との強いコネクションから、どこよりも早くブロックチェーンを実用化できるレベルまで研究、開発しています。
昨年秋に、米Synchronoss Technologies(シンクロノス)および米TBCASoftと提携し、メッセージサービスの国際標準規格(RCS)と米TBCASoftが持つブロックチェーン技術を活用して、新しいモバイルペイメントサービスPoC(Proof of Concept、概念実証)を実施したと発表しています。
これにより、ユーザーが店舗における決済時にモバイル端末で簡潔できる仕組みができました。
日本で最近発表されたメルカリの子会社であるメルペイも、メルカリの中でも売り上げ金をユーザーがいつでもどこでもモバイル端末で使えるというシステムです。
これ自体にはまだブロックチェーン技術が用いられていないですが、代表は今後導入していくことに対して前向きです。
②MUFG×ブロックチェーン
三菱UFJフィナンシャルグループは日本の大手金融機関であり、誰もが知っているメガバンクのひとつです。
このMUFGはコンテンツデリバリーサービスを手掛けている米企業と合同で、ブロックチェーン開発を行っており、2019年を目途に実用化される予定です。
このブロックチェーンは従来のものよりもより早くトランザクション処理が可能になった、新型の技術になります。ミリ単位での決済もでき、マイクロペイメントや時間単位での課金など、これから増えると見られているIoTデバイスを視野に入れたものです。これにより、決済インフラの拡大が見込めます。
ブロックチェーンの技術はビットコインの影響もあり、日本ではまだ仮想通貨のイメージが根強く残っています。
ですが、金融業界のみならずブロックチェーンのユースケースは無限です。
MUFGが金融業界において、ブロックチェーン技術のパイオニアになるであろうことは確実でしょう。
日本は世界と比べるとブロックチェーン技術において、若干の遅れがあることは否めません。
2018年02月09日のロイターの取材によれば、ブロックチェーン推進協会(BCCC)の平野洋一郎代理理事も日本において、まだブロックチェーン技術を応用した新ビジネスに意欲を持つ企業が少ないとの見解を示しています。
前述したイベントや大手企業の先駆けにより、人々のブロックチェーンの認識が変わり、多くの企業や団体がブロックチェーンビジネスに前向き、積極的になることを願っています。